解像度を上げる
整理日: 2026-03-16
#思考 #学び #リファレンス
書籍情報
- 著者: 馬田隆明
- 出版社: 英治出版
- 副題: 曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法
一言でいうと
「ふわっとしている」「既視感がある」「ピンとこない」と言われる思考を、4つの視点(深さ・広さ・構造・時間)で明晰にする方法論。
構造図
flowchart TD
A["ふわっとしている"]
A --> B["既視感がある"]
B --> C["ピンとこない"]
style C fill:#c05746,color:#fff,stroke:none
核心メッセージ
解像度とは何か
解像度が高い状態とは、物事を細かく具体的に把握し、明確かつ簡潔に説明できる状態。
| 解像度が高い | 解像度が低い | |------------|------------| | 顧客像がはっきりと見える | 顧客像がぼんやりしている | | 話が明確かつ簡潔 | 話を聞いていると、疑問が湧いてくる | | 例が具体的 | 具体性がなく、ふわっとしている | | 多くの事例を知っている | 競合や事例を知らない | | 様々な可能性を考慮している | 解決策が安易 | | 洞察がユニーク | 話がばらばらで、論理の飛躍がある | | これからやることの布石が明確 | 進め方の見通しがない |
4つの視点
1. 深さ(Depth)
原因や要因、方法を細かく具体的に掘り下げること
- 「なぜ?」を繰り返して根本原因に迫る
- 症状ではなく病因に注目する
- 表面的な現象の奥にある本質を探る
例: 「売上が下がっている」→ なぜ? → 顧客数が減っている → なぜ? → リピート率が低下 → なぜ?...
2. 広さ(Breadth)
考慮する原因や要因、アプローチの多様性を確保すること
- 一つの視点に固執せず、多角的に検討する
- 関連する要素を網羅的に把握する
- 「他に何があるか?」を問い続ける
3. 構造(Structure)
情報を整理し、要素間の関係性を明確にすること
- ツリー構造で可視化する
- MECEに分解する
- 因果関係を明確にする
4. 時間(Time)
時間軸に沿って変化を把握すること
- プロセスやステップを見る
- 過去→現在→未来の流れを意識する
- 変化のスピードと影響を考える
基本的には「深さ」が足りない
4つの視点は相互に影響するが、多くの場合「深さ」が最も不足している。
- 現場に何度も足を運んで深さを考えると、解像度は上がっていく
- 一方で「構造」の分析だけをして情報を綺麗にまとめているだけでは、一定以上の深さには辿り着けない
解像度を上げる3つの態度
① まず行動する
- 行動なくして、解像度は上がらない
- 情報×行動×思考の量をこなす
② 粘り強く取り組む
- 解像度は一朝一夕には上がらない
- 継続的な深掘りが必要
③ 型を意識する
- 先人の知恵(フレームワーク)を活用する
- 型を知った上で、状況に応じて使い分ける
課題と解決策の解像度
解像度を上げるべき対象は主に2つ:
課題の解像度
- 良い課題の3条件を満たしているか
- 症状ではなく根本原因(病因)を捉えているか
- 顧客が本当に困っていることは何か
解決策の解像度
- 良い解決策の3条件を満たしているか
- 実現可能性は検証されているか
- スケール可能な構造になっているか
深さを上げる具体的方法(内化と外化)
内化(情報を取り込む)
- サーベイをする
- インタビューをする
- 現場に没入する
- 個に迫る
外化(情報を出力する)
- 言語化して現状を把握する
- Why so?を繰り返して洞察を導く
- 習慣的に言語化する
- 言葉や概念、知識を増やす
解像度を上げる型(付録より抜粋)
「深さ」の視点で解像度を上げる型
- 型18: 人と話す
- 型19: あらためて深める場所を決める
「広さ」の視点で解像度を上げる型
- 型20: 使える道具を増やす
- 型21: 外部資源を獲得する前提で広げる
- 型22: 探索に資源を割り当てる
- 型23: 解決策の真の意味を考える
「構造」の視点で解像度を上げる型
- 型24: 分ける(切り口を工夫する、具体的な行動や解決策が見えるまで分ける)
- 型25: 比べる(抽象度を合わせる)
未来の解像度を上げる
未来を描くために必要な「分析」と「意思」
- 情報×思考×行動の3つが重要
- まずある程度高い解像度で未来を予測する必要がある
未来の視点
- 将来世代の視座に立って「あるべき姿」を考える
- 宇宙の視座に立って、人類の課題を考える
- 大きな課題に取り組み、未来を受け継ぐ
実験して検証する
- 解像度を上げた後の課題と解決策も、あくまで仮説
- MVPを作り、スケールしないことをする
- 身銭を切ってもらって、課題の大きさを検証する
- システムに働きかけて試す
- 粘り強く改善し続ける
- 行動することで機会を生む
本書の全体構造
解像度を上げる
├── なぜ解像度が大事か(Why)
├── 解像度とは何か(What)
│ ├── 深さ
│ ├── 広さ
│ ├── 構造
│ └── 時間
└── どうやって解像度を上げるか(How)
├── 態度
│ ├── まず行動する
│ ├── 粘り強く取り組む
│ └── 型を意識する
├── 課題(深さ・広さ・構造・時間)
│ └── 型1, 型2, ...
└── 解決策(深さ・広さ・構造・時間)
私の気づき・学び
(読書中に追記していく)
関連リンク
- [[解像度を上げる_OCR版|解像度を上げる(OCR抽出版)]] - 原文テキスト版
- [[イシューからはじめよ]] - 課題の解像度を上げる関連書籍
- [[身銭を切って学ぶ]] - 実験して検証する態度に通じる
参考
- SpeakerDeckで2021年最も閲覧されたスライドの一つとなった「解像度を上げる」が本書のベース
- https://speakerdeck.com/