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まず全体像を押さえる


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  • "clippings"

Claudeのインターフェースは並べてみると、なかなかの量あります。

Web版(claude.ai)、Macデスクトップアプリ、モバイルアプリ、Claude Code、中を見ても、Cowork、プロジェクト。。。

私は一応これらを意図的に?日常的に行き来しています。PM業務ではClaude Codeで仕様書を書き、Web版のProjectsに競合分析資料を集約し、ディープリサーチで市場調査をかけ、休みの日にモバイルから趣味の開発の続きを進め、Coworkでは反復するブラウザ業務の自動化をしたり、GUIベースでプラグインを試しています。

正直最初は何をどう使えば良いのか定まっていませんでしたが、全部定期的に使っているからこそ、やっと見えてきたそれぞれの境界線があります。

各プラットフォームには明確な「得意領域」と「できないこと」があります。ですが、この5つを横断的に比較した公式ガイドは意外と存在しません。Anthropicのプライシングページはプラン別(Free/Pro/Max)の比較であって、プラットフォーム別の機能比較表はどこにもありません。サードパーティの記事を漁っても、5つすべてをカバーしたものはゼロでした。

であれば、自分で整理するしかありません。ということで、実際に全部使っている立場から、各プラットフォームの強みと弱み、そして使い分けの実践をまとめてみます。

まず全体像を押さえる

整理日: 2026-03-16

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5つのインターフェースは、自分なりに俯瞰すると大きく3層に分かれます。

対話層:Web版とモバイルアプリです。ブラウザやスマホからチャットベースで会話します。Projects、Artifacts、Memory、Webサーチ、ディープリサーチといった機能はここに集中しています。

エージェント層:Claude CodeとCoworkです。自律的にタスクを実行します。ファイルの読み書き、シェルコマンドの実行、サブエージェントによる並列処理が可能です。Claude Codeがターミナルベースで開発者向け、CoworkがGUIで非開発者向けです。

ハブ層:Mac(およびモバイル)アプリです。対話もエージェントも両方を包含します。Option+Spaceのグローバルショートカット、ローカルMCPサーバー、デスクトップ拡張機能、Coworkタブ。モバイルではClaude Codeも。すべてがここに集約されています。

この3層を意識するだけで、使い分けの見通しがクリアになります。

各プラットフォームの強みと弱み

整理日: 2026-03-16

Web版(claude.ai):ナレッジの集約と思考整理

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Web版の強みはProjectsです。PDF、DOCX、CSVなどを最大20件アップロードしてナレッジベースを構築できます。コンテキスト制限を超えるとRAGモードが自動で有効になり、容量が最大10倍に拡張されます。(参考:RAG for Projects - Claude Help Center)競合分析資料やユーザーリサーチデータを一元管理するPMにとって、これは強力です。

私がウェブ版を使う80%の理由がこれにあたるのですが、ディープリサーチもWeb版の強みです。市場調査をClaudeに丸投げし、100以上のソースを横断した構造化レポートが返ってきます。(参考:Using Research on Claude - Claude Help Center)手動のデスクリサーチ数時間分が、10分程度で済みます。このリサーチ機能はClaude Codeにない(ですよね?)という理由でWeb版を多用する理由になっています。

コネクタはMCPベースのクラウド接続で、50以上のサービスに対応しています。Slack、Notion、Asana、Google Drive、Figma。会話の中から直接これらのデータを参照できます。

Artifactsはチャット横のサイドパネルにReactコンポーネント、ダイアグラム、マークダウン文書などを生成する機能です。AI搭載Artifactsにより、APIキー不要でAIアプリのプロトタイプまで作れます。

弱みは明確で、ローカルファイルシステムに直接アクセスできません。ファイルは手動アップロードが必要です。CoworkやClaude Codeのような自律的なファイル操作はできません。

一言で言えば、Web版は「自らアップロードしたナレッジベースの上で思考を整理する・詳しい調査をする場所」です。

構造図

flowchart TD
    A["Projects"]
    A --> B["プラグイン"]
    B --> C["2\. 「実行」と「思考」で場所を分ける"]
    C --> D["導入部をもっとフックの効いた書き出しに変えて"]
    D --> E["頭を整理する"]
    E --> F["AIエージェントのあるべき姿"]
    style F fill:#c05746,color:#fff,stroke:none

Claude Code:実行の中核エンジン

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Claude Codeの本質はローカル開発環境との直接統合にあります。ファイルの読み書き、シェルコマンドの実行、Git操作を自律的に行います。プロジェクト全体のコンテキストを理解した上で、複数ファイルにまたがる変更を実行し、テストを走らせ、PRを作成するところまで一気通貫です。

技術的な特徴として、サブエージェント(並列タスク実行。参考:How to Use Claude Code Sub-Agents for Parallel Work)、ここ最近リリースされたエージェントチーム(リードエージェントがチームメイトに作業を分配。参考:Agent Teams - Claude Code Docs)、CLAUDE.mdファイル(プロジェクト記憶の永続化)、Hooks(ファイル編集後の自動フォーマット等)、カスタムスラッシュコマンド等があります。

「コード」という名前に引きずられがちですが、本質は「ターミナルから自律的にファイル操作するエージェント」です。私はClaude Codeで、PRDの作成やn8nワークフローの構築、freee API連携をして会計整理、時には記事執筆の自動化まで行っています。コードを書く以外の用途にも広く使えます。

弱みは、ターミナル操作が前提であること。非技術者にとってはハードルが高いです。ディープリサーチ非対応、Memory非対応、Projects非対応。Claude Codeは「会話」のためのツールではなく、玄人向けの「ガチ実行」のためのツールです。

モバイルアプリ:ポケットの中のエージェント

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モバイルアプリを「チャットするだけのアプリ」だと思っている人は多いと思います。ですが、ここに一つの革命があります。

モバイルからClaude Codeのセッションを操作できます。

これはあまり語られていませんが、実用上のインパクトは大きいです。例えば、PCで立ち上げたClaude Codeで作ったレポジトリに、iOSアプリからリモートで接続できます。つまり、移動中にスマホからコードの修正指示を出したり、記事の執筆をClaude Codeに任せたり、ちょっとした開発タスクを片付けたりできます。

例えば子供を抱っこしながら「あのアプリのダークモード対応して」と指示を出します。子供が寝た頃には、実装が終わっています。PCの前に座っていなくても、エージェントは動き続けます。手が離せなかった「待ち時間」から「作業時間」に変わる感覚は、一度体験すると戻れません。

記事の執筆にも使えます。Claude Codeにリポジトリ内の原稿を編集させながら、スマホから「導入部をもっとフックの効いた書き出しに変えて」「事例のセクションを厚くして」と指示を重ねます。PCに向かう時間がなくても、成果物が進んでいきます。

もう一つ見落とされがちな強みがあります。デスクトップアプリの設定がモバイルにそのまま引き継がれることです。デスクトップで設定したコネクタやMCPがモバイルでもそのまま動きます。つまり、移動中のスマホからSlackやNotionのデータを参照したり、MCPサーバー経由で外部ツールを操作したりできます。設定の二重管理が不要で、デスクトップと同じ環境がポケットに入ります。

弱みはCowork非対応であること。ですが、Claude Codeのリモートセッションに加えてMCPまで使える時点で、モバイルの役割は「チャットの出先」から「エージェントのリモコン」に変わっています。

Cowork:非技術者のためのClaude Code

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2026年1月にリサーチプレビューとして登場したCoworkは、Anthropicが「Claude Code for the rest of your work」と位置づけるツールです。(参考:Introducing Cowork - Claude公式ブログ)(Claude Codeの使われ方を見て急遽作ったようなことを中の人が話しているのを見て、スタートアップ的な一面を垣間見て嬉しかったです)

ローカルフォルダへのアクセスを許可すると、Claudeがフォルダ内のファイルを読み書きできるようになります。VM内でサンドボックス化されているため事故は起きにくく、タスクプランが可視化されるのでClaudeが何をしようとしているかが一目で分かります。

目玉として、2026年1月30日にリリースされたプラグインがCoworkの実用性を大幅に拡張しました。営業、法務、財務、マーケ、PM向けの11のオープンソースプラグインが公式で提供されています。

ここで概念整理をしておきたいと思います。Claudeのエコシステムには「外部ツールとつなぐ仕組み」が3種類あって、名前が紛らわしいです。(間違っていたら指摘して欲しいです)

コネクタはMCPベースのクラウド接続です。Slack、Notionなど50以上。Web・デスクトップ・モバイルで使えます。デスクトップ拡張機能は.mcpbファイルで配布されるローカルMCPサーバーです。デスクトップアプリ専用です。(参考:Desktop Extensions - Anthropic EngineeringプラグインはCowork/Claude Code用のパッケージで、Skill(ドメイン知識)+ コネクタ接続設定 + スラッシュコマンドを一つにバンドルしたものです。

プラグインの中身を覗くと構造が見えます。例えばproduct-managementプラグインは、Slack・Linear・Notion・Figma・Amplitudeへの接続定義と、PRD作成・ロードマップ管理・競合分析のスキルファイル群、そして /write-spec のようなスラッシュコマンドがセットになっています。

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突き詰めると、プラグインはパッケージマネージャーの思想です。Skillもコネクタもコマンドもバラで動きます。ですが、それらを一つにまとめて一発でセットアップできるようにしたのがプラグインの価値です。技術的には新しくありません。配布の問題を解決しただけです。ですが「非技術者がワンクリックで業務特化AIエージェントを手に入れられる」という配布チャネルのインパクトは絶大で、このプラグイン発表がSaaS関連株の大幅な下落を引き起こした事実がそれを証明しています。(参考:Anthropic's Claude triggered a trillion-dollar selloff - FortuneClaude Cowork Triggers Tech Stock Selloff - Trending Topics

弱みは、セッション間でメモリが保持されないこと、Projectsとの統合がないこと、監査ログ非対応であること。アプリを閉じるとセッションが終了します。

私の使い分け

全部薄く広く使っているからこそ、それぞれの「最適ポジション」が体感で見えてきました。

Claude Code → 仕事の中核。コーディング、PRD作成、n8nワークフロー構築、技術調査、PoC実装、記事の執筆。ほぼすべての「成果物を生み出す」作業はここです。CLAUDE.mdにプロジェクトの文脈を永続化できるので、「前回の仕様に基づいて次のイテレーションのPRDを書いて」と言えばコンテキストが途切れません。一度使い始めると、他のインターフェースでは物足りなく感じる中毒性があります。

Web版 → 外での思考整理と深いリサーチ。Projectsに競合分析資料やユーザーリサーチデータを格納し、ナレッジベースとして運用しています。ディープリサーチで市場調査。コネクタ経由でSlackの会話やNotionのドキュメントを参照しながら戦略の壁打ち。Claude Codeが「手を動かす」場所なら、Web版は「頭を整理する」場所です。気になったトピックに関してはディープリサーチを複数並行でかけておくことで、少し経てば本格的なリサーチ結果が返ってきます。中毒性が高いです。

モバイル → 移動中のリモートエージェント。ここが一番Wowな体験だと思います。通勤電車でClaude Codeのリモートセッションに接続し、記事の修正指示やちょっとしたPRD定義を進めます。PCの前にいなくても成果物が進行する体験は革命的です。テキストチャットでのアイデア壁打ちも併用しています。(良いところを書きましたが、思い処理を走らせるとすぐ止まる不安定性が痛いです)

Cowork → プラグインの実験場とUX観察。正直、Claude Codeを使い慣れている身からすると、Coworkでできることの大半はClaude Codeでも再現できます。故に正直Coworkは頻繁に利用していません。

ですがCoworkには固有の価値があります。プラグインのGUIインストール、タスクプランの可視化、VMサンドボックスの安全性。そして何より、Anthropicが「AIエージェントの理想的なUX」をどう設計しているかが、Coworkには如実に表れています。PMとして、その設計思想を体感するために触っています。Claude Codeを全人類が使うとは全く思えないので。

Anthropicの製品戦略が見えてくる

全プラットフォームを横断的に使っていると、Anthropicの戦略の輪郭が浮かび上がってきます。

AnthropicはClaude Codeでユースケースの探索をし、アプリとCoworkで民主化しています。

Claude Codeは2025年2月にリサーチプレビューとして登場しました。(参考:Claude 3.7 Sonnet and Claude Code - Anthropic)ターミナルネイティブ。開発者が使い倒し、ユースケースが見えてきました。すると開発者たちが、コーディング以外のあらゆる作業にもClaude Codeを使い始めました。Anthropicはこの「けもの道」を観察し、Coworkを作りました。公式がそう説明しています。

CLIで探索し、GUIで民主化する。 プラグインの仕組みもClaude CodeとCoworkで互換性があります。中身は同じエンジンです。Claude Codeで開発者が作ったワークフローが、プラグインとしてパッケージ化され、Coworkを通じて非技術者の手に届きます。例えば目玉機能であるAgent TeamsもゆくゆくはCoworkに降りてくるでしょう。

そしてWeb版のProjectsやArtifacts、ディープリサーチは、「エージェント以前」のニーズに応えています。すべてのユーザーがファイル操作や自動化を求めているわけではありません。「調べたい」「整理したい」「可視化したい」。そのニーズは対話層だけで十分に満たせます。

5つのインターフェースは、バラバラに存在しているのではありません。ユーザーの習熟度とユースケースに合わせたグラデーションとして設計されています。

AIを高速で仕事をしたい人としての最適解

ここまでの話を整理すると、3つに集約されます。

1. コンテキストで場所を選ぶ。何を作るかではなく、どこで・どんな状態で作業するかで最適なインターフェースが決まります。移動中ならモバイルからClaude Codeのリモートセッション。ナレッジベースを参照したいならWeb。ローカルファイルを処理したいならCowork。成果物を自律生成させたいならClaude Code。状況が道具を決めます。逆に言えば、モバイルでもコンテキストを一致させるためにGitHubの文字通りハブ化がキモいです。

2. 「実行」と「思考」で場所を分ける。Claude CodeとCoworkは実行。Web版は思考整理。モバイルはその両方のリモコン。この分離を意識するだけで、各ツールの役割が明確になります。

**3. Claude Codeを触り倒し先端技術を知り、CoworkでUXの思想を読む。**機能はまずClaude Codeに実装され、検証を経てCoworkやWebに降りてきます。アーリーアダプターとしてはClaude Codeでユースケースの最前線を掴み、同時にCoworkのUI/UXを観察するのが最適解です。Coworkの設計は、Anthropicが考える「AIエージェントのあるべき姿」そのものだからです。

Claudeは一つのプロダクトではありません。5つのインターフェースを持つプラットフォームです。

全部触って、それぞれの得意領域を知らことで、肌に馴染んだ利用方法に出会えます。

ぜひ皆様の使い分けも、聞かせてください!

※簡単にですが、作った星取表をArtifactに入れておきました(横軸がMECEじゃない分類ですが) https://claude.ai/public/artifacts/37e77345-7d1e-4bc8-97a2-41a9c1d8d8b1