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- "clippings"
整理日: 2026-03-16
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26tech

はじめに
「全エンジニアが Claude Code を 100% 活用する」
これは、ダイニーの今期の目標のひとつです。
正直、最初に思ったのは「何をもって 100% なんだ?」です。
手がかりを探るために、まずチーム全員にアンケートを取りました。
結果はバラバラで、「 かなり活用できている 」という人もいれば、「 スキルやサブエージェントはほとんど使えていない 」という人もいます。
中でも多かったのが、「他の人がどう活用しているのか分からない」という声でした。
実際、有志がスキルやサブエージェントを作っても、その存在自体を知らないメンバーがいます。知っていても中身が分からないから使えない。結局、作った本人しか使わないまま埋もれていく。そんな状態です。
これでは「活用度」以前の問題。
そもそも何が使えるのか、誰がどう使っているのかが見えなければ、活用度を定義できません。
そこで作ったのが、エンジニア全員の Claude Code 活用状況を可視化するダッシュボードです。
構造図
flowchart TD
A["かなり活用できている"]
A --> B["複数人がほぼ同じ内容のスキルをそれぞれ定義して使っており"]
B --> C["見えないものは改善できない"]
C --> D["このコマンドを打ってください"]
D --> E["公開範囲を絞れる プライベートリポジトリにすることで社内.."]
E --> F["Discussion"]
style F fill:#c05746,color:#fff,stroke:none
作ったもの
- Claude Codeプラグイン: 利用データを収集してBigQueryに送信するフック
- BigQueryテーブル: データの蓄積先
- ダッシュボード: 蓄積したデータを可視化するWebアプリ
この構成を、Claude Codeを使って1日ちょっとで作りました。
ダッシュボードでは、主にこんなことが見えるようになっています。
- ユーザー別ランキング: 誰がどのくらいスキル・サブエージェントを使っているか
- ツール分析: スキル、サブエージェント、MCP、スラッシュコマンドの4カテゴリの横断的な利用状況
- トークンコスト分析: モデル別のトークン使用量とコストの可視化
- ワークスペース別分析: リポジトリ・サブディレクトリ単位でのドリルダウン
- AIインサイト: Geminiが利用データを分析して、トレンドや特徴的な使い方を自動で指摘
ダッシュボードで見えてきたこと
ダッシュボードを運用して、特に効果や洞察を得られた点を紹介します。
「量」だけでなく「質」の差が見えた
ユーザー別ランキングでは、利用量に大きな差がありました。
さらに、会話量が多いだけの人もいれば、会話量に対してスキルやサブエージェントの利用比率が高い人もいました。
「たくさん使っている」 と 「うまく使っている」 は別物だと分かります。

スキルの属人化が浮き彫りに
レビュー系、コミット系のスキルは属人化が目立ちました。
特にコミット系は、 複数人がほぼ同じ内容のスキルをそれぞれ定義して使っており 、統合の余地が見えました。

トップユーザーの使い方が丸わかりになる
ユーザー別ページで、誰がどのスキル、サブエージェント、MCPを使っているかを一覧で見ることがきます。
ランキング上位のページを見るだけで、 その人の活用パターンが把握できます 。

技術的な工夫
なぜトランスクリプト解析なのか
OpenTelemetryも検討しましたが、取得できるのは「Claude Codeを使った」レベルまでで、 どのスキル や どのサブエージェント を使ったかまでは追うことができません。
今回は「誰がどの機能をどう使っているか」を可視化したかったため、Claude Codeが出力する トランスクリプトを直接解析 する方針にしました。
トランスクリプトの構造
Claude Codeはセッション中のやり取りをJSONLで記録します。
スキル利用時の例がこちらです。
{
"sessionId": "a1b2c3d4-e5f6-7890-abcd-ef1234567890",
"cwd": "/Users/username/Desktop/your-project",
"message": {
"model": "claude-opus-4-5-20251101",
"role": "assistant",
"content": [
{
"type": "tool_use",
"name": "Skill",
"input": { "skill": "frontend-design" }
}
]
},
"timestamp": "2026-02-04T11:22:07.768Z"
}
このログから input.skill を抽出し、スキル利用を特定します。
サブエージェント、MCP、スラッシュコマンドも同様に識別できるため、必要なイベントを抽出してBigQueryに送信しています。
ユーザースコープへの配置
プラグインは、インストール時にユーザースコープに配置してもらうようお願いしました。
弊社はモノレポ構成のため、起動ディレクトリがトップレベルの人もいれば、 packages/product-a/ の人もいます。
プロジェクトレベル配置だと後者で動作しないため、ユーザースコープにしてどのディレクトリでも計測できるようにしました。
monorepo/
├── packages/
│ ├── product-a/
│ ├── product-b/
│ └── product-c/
GitHubを使ったプラグイン配布
プラグインの配布には GitHub経由のPlugin公開 を採用しました。
- 公開範囲を絞れる プライベートリポジトリにすることで社内メンバーのみに配布できる
- アップデートが簡単 リポジトリに変更内容をPushするだけで、簡単に更新できる
- 導入が簡単
/plugin marketplace addでGitHubリポジトリを指定するだけ
導入後の効果
プラグイン配布が導入のハードルを下げた
最終的に、チーム全員(100%)がプラグインをインストールしてくれました。
導入手順は、Claude Code上で以下のコマンドを実行するだけです。
/plugin marketplace add [リポジトリURL.git]
/plugin install [プラグイン]
設定ファイルの編集やスクリプト実行が不要 で、案内も「このコマンドを打ってください」で済みました。
打ち手の効果がデータで見える
ダッシュボードにより、AI活用施策が効いたかどうかを数値で確認できるようになりました。
(公開後にサブエージェント利用数が 1週間で約1.5倍 に伸びました)
他のメンバーの利用が可視化され、「自分も使ってみよう」という行動につながったと考えています。

トップ層の使い方がエビデンスになる
ランキング上位のユーザーが活用法を共有するとき、ダッシュボードの数字が裏付けになります。
「効率が上がる」と言うだけより、 実際の利用データが見える方が説得力が高く 、活用の広がりにつながりました。
週5〜6回のペースで改善が続く
ダッシュボードは、見たい指標を思いついたタイミングで継続的に改善しています。
最初のデータベース設計さえ固めれば、フロントエンドの実装はAIに任せられるため、変更を素早く反映できます。

まとめ
アンケート、システム構築、全員への導入までを短期間で進めることができました。
振り返るとポイントは3つです。
- 見えないものは改善できない
誰がどう使っているかが見えるだけで、「あの人もコミットスキルを作っていた」と気づきが生まれ、教え合いが自然に始まった - 数字があると人は動く
口頭の推奨よりも、トップ層の利用データが見えることで納得感が一気に上がった - 思いついたらその日に作る
プラグイン+BigQuery+ダッシュボードなら1日で形にでき、改善のサイクルを回せた
AIツールは導入して終わりではなく、 計測・可視化し、チーム全体で改善し続ける ところまで踏み込むことが重要だと感じています。
こうした取り組みを積み重ね、AIネイティブな組織を本気で実現していきます。
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